香織ちゃんの野次を受けながら、翼君を見た。
口を開けたまま、食べ物が入るのを待っている。
なにがいいのかわからなかったから、自分で食べようとしていた、卵焼きを翼君の口の中に運んだ。
「とてもおいしいです」
翼君は噛みながら言ってくれた。
褒められるのはやっぱり嬉しくて、私は照れくさくなった。
「一ノ瀬さん、今日の夜、予定ありますか?」
「ないですけど……」
「よかったら、家に来ませんか? 今日のお礼も込めて、俺の料理をと思って」
佐倉君に限らず、男の人の作ったものに興味があった私は、迷わず頷いた。
「香織ちゃんたちも来るよね?」
さすがに、翼君と二人っきりってのは……
「あー……ごめん、凛。今日は予定あるんだ」
「あたしも。翼君、また誘ってね」
「はい」
そんな……
本当に、二人なの……?
「一ノ瀬さんはお酒飲みますか?」



