秘密の交換をしよう



「一ノ瀬さんと上村さんのお弁当、同じですね」



午前中の仕事を終え、休憩室で美穂ちゃんとお弁当を開いていたら、飲み物を買いに来た翼君が覗き込んでいた。



「あたしもおそろいよ」


「香織ちゃん。お疲れ様」



丸テーブルの周りにある四席のうちの三つ目の席に、香織ちゃんは軽く返事をしながら座った。



「リンリンが作ってくれたんだー。いいでしょ?」


「一ノ瀬さんの手作りですか。おいしそうですね」



翼君は美穂ちゃんに座れ、と指示されたように残りの、私の隣の席を埋めた。



「お昼まだなら、少し食べますか?」


「いいんですか?」



断る理由もなかったから、頷く。



弁当箱の蓋にいくつかのおかずを置いて、予備の箸がないことに気付いた。



「食べるか聞いた凛が食べさせてあげなよ」


「へっ!?」



すると、翼君は香織ちゃんの言葉に便乗して口を開けた。



「……嘘でしょ?」


「早く入れてあげないと、佐倉君疲れるぞー」