「結木さん! 私とお昼行きませんか?」
「あたしとですよね!?」
「遥真先輩は姫鈴と行きますよね?」
昼食を終えて戻れば、他の部署の女子社員も結木さんを誘っていた。
もちろん、姫鈴さんも。
ざっと見たところ、三十人程度。
それだけの女性社員が、結木さんを囲んでいる。
「うわー……これ一周回って尊敬するわ」
美穂ちゃんが今にも逃げそうに、一歩後ずさる。
出来るなら、私も逃げたい……
「これだと仕事が出来ないよ……」
あまりにも多すぎて、自分の席に座れない状態。
恋は盲目って、誰かが言ってたっけ。
本当に見えてないなんて……
「どうしたもんかねー……」
まるで他人事のように言わないでよ、美穂ちゃん。
でも、そうなるのも無理ないか。
「もしかして、結木さんずっとこんな感じだったのかな……?」
そうなると、結木さんはまだお昼を食べてないことになる。
もう十三時になろうというのに。



