秘密の交換をしよう



「凛はしっかりしてるように見えて、弱いからなー。そういうところが、男からしてみたら可愛いと思えるんじゃない?」


「香織ちゃんまで!」


「確かに、完璧そうに見えて抜けてる子は守ってあげたくはなりますけど……」



……もう口挟むのやめようかな。


誰も聞いてくれないなんて。



「一ノ瀬さんはどう見ても、ただ抜けてる女性…………すいません、見た目で言っただけです。気にしないでください」



私は佐倉君の言葉を聞きながら、佐倉君を睨んだ。



「なにその顔! 超可愛い! ね、翼君!」



誰か、美穂ちゃんの暴走を止めて……



「ええ。計算してやっていないなら」



佐倉君は右手の中指でメガネを上げた。



「計算?……なんのこと?」



佐倉君の言っている意味がわからなくて、香織ちゃんたちに説明を求めた。



「凛と佐倉君の身長差だと、凛は自然と上目遣いになるんだよ。おまけに、頬を膨らませてたし」


「私、ほっぺ膨らませてたの?」


「はーい、無自覚決定! さっすがリンリン」