話したくなくても、一度言ったんだ。
それに、いつまでも過去から逃げてられない。
「早く食べて会社に戻らないと」
仕事終わらせたいし。
私はただただ、箸を進めた。
美穂ちゃんたちはそれ以上、そのことについて触れてこなかった。
「はー……会社に戻るの、憂鬱すぎる……」
カフェを出た途端、香織ちゃんが溜め息をついた。
私は美穂ちゃんと顔を合わせてクスッと笑った。
「笑うなー。凛はともかく、美穂は許さないからなー!」
その言葉で、さらに笑ってしまう。
すると、香織ちゃんが私の頭に手を置いた。
「香織ちゃん?」
「アンタには笑顔が一番だよ。暗い顔は禁止。いい?」
そして美穂ちゃんにも頭を撫でられた。
「二人とも、ありがとう」
「いいってことよ」
「あたしたちは、リンリンの笑った顔が好きなんだからさ」
二人は手を離して、優しく笑ってくれた。
私、この二人とずっと一緒にいられるだけで、幸せだな。



