秘密の交換をしよう



美穂ちゃんは子供をあやすような声色で聞いてきた。



なんだか、首振り人形にでもなった気分だ。


さっきから、頷くことしかしてない。



「凛、明日も休みな。あたしも休むから。今の状態で行くほうが、かえって迷惑かけるだろうから」


「あたしも休む! リンリンがこんなだってわかってて、仕事が進むわけないもん」


「あんたの場合はいつも大して進んでないじゃん」


「酷くない!?」



いつもと変わらない二人を見てたら、なんだか笑えてきた。



「二人ともありがとう。明日はちゃんと仕事に行くよ。でも……今日は泊まっていかない? 一人は嫌なの」


「もちろんよ、凛」


「お姫様の仰せの通りに」



こんなときでも明るく振る舞ってくれる美穂ちゃんに、心底救われた。



それからは二人が私に泣く暇を作ってくれなかった。


それどころか、ずっと笑わせられた。



気付けば眠ってて、起きたときには香織ちゃんが食事を用意してくれていた。



「香織ちゃん、ありがとう」



ローテーブルに料理を並べている香織ちゃんの背中に言った。