秘密の交換をしよう



泣き腫らした顔を見られたくなくて、私はずっと俯いていた。



見られたくないのに、どうしてドアを開けたのかなんて、自分でもわからない。


多分、誰かにすがりたかったんだと思う。



「……中に入ってもいいよね?」



香織ちゃんが遠慮気味に聞いてくる。


私は首を縦に振り、二人を中に入れた。



「……こっち」



リビングに通し、お茶を用意しようとすると、美穂ちゃんに止められた。



「お茶なんていらないから、なにがあったか説明して?」



ローテーブルを三人で囲むと、二人は私が口を開くのを黙って待ってくれた。



私はゆっくりと口を開く。



「……………………別れた」



誰かが近くで低い声を出した。



それが自分の声だとわかるまで、数秒かかった。



「え!? 付き合ったばっかじゃん!」