ハルさんの手が徐々に上がってきたときだった。
リビングのほうでハルさんの携帯が鳴った。
「……無視してやる」
そう言って、ハルさんはこの行為を続けようとした。
「もしかしたら、仕事の連絡かもしれないのに、無視はいけません。そういうことをする人は嫌いです」
「凛に嫌われるのは勘弁」
ハルさんは不機嫌そうに寝室を出ていった。
タイミングよく、邪魔が入ってくれてよかったあ……
ハルさんには悪いけど、全く心の準備が出来ていなかった私には、無理があった。
「凛、悪いんだけど、俺、仕事に戻らないと。今日は泊まってっていいから」
寝室に顔を覗かせたハルさんは、もうスーツに着替えていた。
「行ってらっしゃい」
「行ってくる」
ハルさんは軽く私にキスをして、仕事に向かった。
どうしよう……
このままだと、心臓がもたない……



