「ここの社長令嬢に聞いたよー。うちの山崎に言い寄られたんだって?」
「安心しなよ。ここの社長令嬢がすごい顔して、山崎をこの企画から外したから」
「迷惑かけて、ごめんなさいね」
勢いのせいで後ずさったけど、謝罪をされると思っていなかったから、思わずキョトンとしてしまった。
「それにしても、私たちでも気付かなかったのに、そんなことに気付いた結木さん、すごすぎ」
「おまけに、恋人のフリまでして守るとか……ますます惚れそう」
「部下のためにそんなことできるとは……あたしも結木さんの部下になりたいわ……」
ハルさんのことを話す三人は、頬を紅潮している。
やっぱりハルさんって、人気だな……
「おい、喋ってる暇あるなら、手を動かしてくれ」
すると、横を通った男性社員が顔をしかめている。
「すみません」
そう謝って、私たちは解散した。
私のせいで山崎が企画を外されたって聞いて、申しわけないと思うけど、山崎がいないとわかっただけで、仕事が進んだのも、また事実だったりする。
今日の分が終わると、ちらほら帰る人が目に入る。



