秘密の交換をしよう



「……過去形じゃなくて、現在進行形だ。俺は、今でもお前のことが……」



違う、と言われるか、そうだと言われるかのどっちかだと予想しておきながら、違うと言われることを願っていたところがあったみたいで、その言葉を聞いて、頭が真っ白になった。



「口を挟んで申しわけありませんが、山崎さんはどうして彼女を大切にしようと思わなかったのですか? 好きな人が苦しんでいることほど、男にとって辛いものはないのでは?」


「結木さんのおっしゃる通りです。俺のやり方は間違っていた。だから、今度は正々堂々、一ノ瀬に……」


「ごめんなさい」



私は山崎が言い切るより先に、頭を下げた。



「え?」


「私、どれだけ時間が経っても、山崎のこと、許せないと思うの。この世には私よりも素敵な人はたくさんいる。だから、そういう人を探してください」



告白を断ることも、勇気がいるんだなって、実感した。



私は山崎にそう言う前に、ハルさんの手を握り返した。そうすることで、ハルさんに勇気を貰えるような気がしたから。



そして、ハルさんはまるで私の心を読んだかのように、私の手のひらを優しく包んでくれた。



「……悪いけど、一ノ瀬のこと諦めるつもりはないから」



そんな……