「でも、あたしに山崎が女子を道具みたいに使ってるって言ったのは、なにか理由があるんでしょ?」
「うん。いじめのトップは山崎だから、あまり女子を怒らないでほしいというか……」
「甘いなー。ま、凛が言うならそうするか」
「ありがとう、香織ちゃん」
翌日から、香織ちゃんは私をいつも通りに助けても、女子に噛み付くことはなくなった。
いじめに耐える日が続く中、再び山崎に呼び出されたのはあれから二ヶ月後だった。
呼び出されたというより、この前の空き教室に無理やり連れていかれたと言ったほうが正しい。
「お前、どういうつもりだ」
どうやら、痺れを切らしたらしい。
準備がいいとでも言うべきか、今度は誰も入って来られないよう、何人かの男子生徒が出入り口を塞いでいる。
「どうしてなにもしてこないんだよ」
「私はアンタなんかと違うから。これくらいのことで、やり返すわけない」
二ヶ月前にここでされたことを思い出すだけで、足が震えた。
でも、今逃げるわけにはいかない。
私はしっかりと山崎の目を見て言い返した。



