「うるさい。アンタに優しくした覚えはない。関係ない香織ちゃんが山崎を殴ったりなんかしたら、香織ちゃんが停学になる。殴るなら、私がやるもん」
「へえ。殴れるの?」
「殴れるよ。でも、殴らない。もっと、いいやり方があるはずだから」
この考え方が甘いって言われるんだろうな。
でも、暴力で解決することはよくない。
お父さんなら、なんて助言してくれる?
お母さんなら、どうやってやり返す?
『力に任せるのはよくないな。いや、お父さんが言うのはおかしいけど! 暴力だったら相手は当然痛いけど、自分も痛いんだ』
『お母さんだったら、竜生……お父さんの力を借りるかな。だって、一人じゃなにも出来ないもの。お父さん、お母さんのためなら何でもする、なにがあっても、雅の味方だって言ってくれたの』
『凛になに言ってんだよ!』
『懐かしいでしょ? 私、竜生がああ言ってプロポーズしてくれたから、結婚決めたのよ』
『そうだけど、恥ずかしいんだよ!』
そういえば、昔嫌なことされたときに、そんなこと聞いたな。
お父さん、顔を真っ赤にしてて。
「凛? そんなに辛かった?」



