秘密の交換をしよう



「よ、一ノ瀬。元気だったか?」



山崎はドアを閉めながら、私に近付いてきた。


私は無視して、そっぽを向いた。



そんなこと言うために、わざわざ私をここに呼んだのだろうか。



そもそも、元気でいられないのも、山崎のせいなのに。



「あれ、無視? もう結構弱ってると思ったんだけど……俺、タイミング間違った?」


「……どういうこと」



つい、山崎を睨みつけてしまった。


でも、そうせずにはいられなかった。



「やっぱり限界きてるか。あの一ノ瀬が笑顔忘れてんだから。どう? 俺に助け求める気、ない?」


「ない。元気じゃないけど、いつも香織ちゃんが助けてくれてるから」


「宮原が、ねえ……アイツが裏切り者だって言ったら?」


「は?」


「だーかーら。宮原もホントはいじめっ子で、一ノ瀬を助けてるのは演技だってこと」



山崎の言葉を聞いて、頭が真っ白になった。



香織ちゃんが、私を騙してる……?