もう、冬の寒さは消え、春の暖かさを感じる入学式。 私は、遅刻しそうだ。






「絶対、美和 ( みわ ) ちゃん
怒ってるよぉ…!!」



この間届いたばっかりの新しい制服を着て、私は走りながら、友達のことを考えていた。




楽しみすぎて、寝付けなくて遅刻した…なんて、言ったらどんなことを言われるかわかったもんじゃない。




私は、朝ごはんを食べずに、飛び出してきたので体力がなく、学校の前にある長い坂道の真ん中で止まってしまった。






……もうっ、なんでこんな時に限って
自転車が壊れてるの。




それに、イラつきを覚え、私は桜の散る木をゆっくりと見上げた。