今は……とまた、いつの間にか前に行ってしまっている雅喜の、男にしては白い手を見る。

 今はまだ、つなぐと振り払われそうだけど。

 そう思いながらも、頑張って足を速め、横に並んだ。

 雅喜がこちらを見たので、ふふ、と笑う。

 なんなんだ……という顔をされたが、照れているように見えなくもなかった。