「おい、沢田……」
ぼんやり灯りのともる天蓋つきのベッドの上で、真湖は爆睡していた。
腕を組んでそれを見下ろし、雅喜は溜息をつく。
「……やっぱり意味ないじゃないか」
と言いながら、抱き上げ、布団の中に入れてやった。
真湖が入りたがっていたので、外のジャクジーに湯を張ってやっていたのだが、戻ってきていたら、寝ていた。
仕方なく、自分ひとりで、水の中に紫のライトが灯るムーディなジャクジーに入り、夜空を見上げる。
どんな新婚旅行だ、と思いながら。
だが、部屋に戻り、天蓋のカーテンの中で眠る真湖を見ると、なんだか幸せそうに見えて、ちょっと笑ってしまった。
「……旅行、楽しいか? 沢田」
と眠っている真湖に小声で訊いてみた。
にんまり笑ったように見えたが、まあ、気のせいだろう。
でも、子どもって、寝てるときに、着替えさせようとして、
「足上げて」
とか言うと、本当に上げてくれたりするらしいから、沢田も聞いているのかもしれないな。
真湖を完全に子ども扱いしてそう思う。



