「おい、六時十五分だぞ」
そんな声に、真湖は目を覚ました。
「えっ? 朝のですかっ?」
と思わず叫んで飛び起きると、横に寝ていた雅喜が、阿呆か、と言う。
な、何故か、課長が横にっ。
いや、何故かってこともないか、と思いながら、真湖は身体を隠すようにして、口許まで布団にもぐった。
「食べるんだろ、豪華な夕食とやらを」
と雅喜が軽く鼻で笑うようにして言ってくる。
……いけないのですか。
庶民が豪華な夕食を楽しみにしてはいけないのですか、お坊っちゃま、と相変わらずの口調に心の中で文句を言いながらも。
未だに目が覚めたら、横に課長が居るの、違和感あるなあ、と思っていた。
飛び起きて最敬礼したくなる。
……甘い雰囲気をなくしてるのは、実は私かな、と真湖は思った。
っていうか、なんで、さっきからずっとこっちを見てるんですか、と思いながら、真湖は布団を口の辺りまで引き上げたまま、目だけで雅喜を見る。
雅喜は、
「ベッド二つもいらなかったな」
と言ったあとで、物思うような顔になり、……いや、と呟いた。



