課長の瞳で凍死します ~伊勢編~

 

 


 どうせ、風呂は別々なのだが、雅喜は真湖と一緒に大浴場に行き、一緒に館内の土産物屋を見て歩いた。

「ああっ。
 私が高いお店で買ったのと同じキーホルダーがこんな値段でっ」

 真湖はキーホルダーを見て叫ぶ。

 ……ぼったくられたのか? 間抜けめ、と思いながら、湯上りで浴衣姿の真湖を見る。

 それにしても、真湖と歩いていると、なんでもない場所でも常に騒動が起こっているような、と思う。

 神聖なる伊勢神宮でも、真湖は、小屋の中に座っている白い衣の神主さんを人形かと思って見ていて、お辞儀をされ、ビクッとなって、自分に激突してきた。

 人形なわけないだろうが。

 そして、御厩(みうまや)の真っ白な神馬もやはり作り物かと思って……。

 困った奴だ、と溜息をついたとき、真湖が、
「会社で配るの、このくらいですかね? 課長」
とカゴに山積みになった土産物を見せてきた。