「今すぐ棄権しろ。魔力を封印され、魔法をうまく使えない紗久には危険すぎる競技だ。生身の人間がすることじゃない」 珍しく私に本気の怒りを見せるお兄ちゃんが怒っている原因はこれだ。 この〝障害物競走〟に私が出ることが気に食わないのだ。 「大丈夫だって、多分。おばあちゃんの魔法石だってあるし」 そんなお兄ちゃんに私は未だに苦笑い。 確かに魔法使用オッケーの障害物競走なんて嫌な予感しかないけれど、お兄ちゃんが心配するほどのことでもないだろう。