「風よ、他の者を貫く矢となれ」








大和が笑顔で詠唱を唱える。




紗久に向かって。







「「紗久!!」」







俺と怜桜が同時に紗久の名前を呼ぶ。






紗久への怜桜の守りの魔法は一瞬だけでもこちらに集中してしまったので、弱くなってしまっている。




しかも大和の高度で強い魔法だ。






間違いなく守りの魔法は破壊され、紗久がやられる。




そしてその危機に最悪紗久は魔法を使うかもしれない。