黒 桜

『暁…お前、裏切るつもりか!』


『いや、まだ記憶が戻ってないんだ!早く報告を…ぐぁああ!』




ごたごたうるさいから殺してしまった…けれども暁というのはたしかに私に向かって言っていた。




「桜女さん、裏切らないんじゃな?」




確かめなければいけないかもしれない。

でもその前に…




「そんなことはどうでもいいでしょう?ねぇ、伯父さん。あなたは誰」



「な、なに?」



「私の名前を知っているでしょう?総司は私の名前を呼んでいない。なぜわかったの?」




伯父さんの顔色がどんどん悪くなっていくのがすぐにわかった。




「そ、それは沖田さんに前から聞いておってな…面白い奴がいると」



「馬鹿馬鹿しい嘘はやめてください。先ほど久しぶりと言っていたでしょう?」