黒 桜

地面に落ちる赤みのかかった黒髪。
かなりの量がある。


当たり前だ。
十年くらい切っていないのだから。




「今日から私を変えるための一歩です。まだ男っぽいでしょう?」



「ふっ…そうだな」




私はその後、桜の木の下に鞘と短刀を置き、沖田さんの後について行った。





「まあ、拾ったってことにしといてくだせぇ?」




「わかりました」




「ま、ここでっせ?」




大きな木の門に中を見るのが困難な高い塀。さすが新選組と言えるくらいの大きな屋敷だ。




「沖田さん、お帰りです。そちらのかたは?」



中に入れば男の連中が私と沖田さんを見てみんな同じ質問をする。