黒 桜

沖田さんは軽々しく高めの木から降り、短刀を拾って私に投げた。


私はその短刀をなんなく取る。




「俺は桜女を気に入ったんすわ。側にいてはくれねぇですかい?」




一種の恋文のような言葉だな…。




「刀は抜かせねぇ」




沖田さんはきっと私の何かを知っているからこそそういうんだろう。




「わかりました」




私は舞う蝶のように気から飛び降りた。

あの沖田さんでさえ、少し見惚れていたくらいだ。




そして私は短刀を使って自分の長い髪を切った。




「なにを…」