黒 桜

桜女のこんなに狂った姿を見るのは辛かった。

でも目は絶対に離さなかった。




桜女は一人でずっと泣いたあと、神社のそばに純を埋めてゆらゆらと俺達の方に向かってきた。




「桜女…」



「土方さん…ごめんなさい…純は死んだ」




土方さんにそう言うと桜女は俺の方を見て言った。


その時の桜女の目は光なんて写してなかった。




「せっかく…沖田さんとの大事な純。死んだの…。殺した人達切った。なんにも変わらなかった…ねぇ、沖田さん。私は誰なの…おしえて…よ…」




桜女はその後突然倒れて長い階段から落ちて行った。





「桜女!桜女!」




俺はすぐに抱きかかえるが桜女は反応すらない。