黒 桜

「みんな…死んじゃった…ね。結局、懺悔もなし…ねぇ」




桜女は全ての男を切るとふらふらしながら刀を落として純の元に向かった。




「守れなくてごめんなさい…」




桜女は純を抱きしめて離さないようにずっと泣いていた。



でも桜女は気がついていたんだろうか。

自分の手の包帯が真っ赤になっていることを。


無理しすぎて血が出てきてしまったことを。


他にも男たちに切られたであろう傷が多数ある。




なんで自分を捨てて純の為に泣けるあいつが一人苦しんで人を殺さなければならなかったんだろうか。


俺はそんな桜女を元に戻せるのだろうか。

こんな昔の俺みたいな桜女は嫌だ。





「うわぁああああああああ!純!お願いだからぁああ!目を開けてぇ!!」