黒 桜

神社からは刀と刀が打ち合った時に鳴る特別な音が聞こえてきた。



俺や土方さんは顔を見合わせてすぐに神社の上に向かった。




そこで見たものは衝撃だった。




桜女が刀を持って舞っていた。

それも笑いながら人が死ぬざまをなんとも思ってないように…。




「桜女…？」




俺の声なんて聞こえてなんかなくて桜女を襲う男たちは次々に血を流して倒れていった。





「ねぇ、こんな私に負けるくせに純を殺すって…馬鹿なのね。あははは！返してよ！私の大事なものを！その命で償え！」




すぐにわかったんだ。
桜女が血塗られた純を守るようにして戦っていると…。




「あれがきっと桜女の本当の姿なんだろう…」




そう、あれが本当の姿なら鬼で化物だ。
正直、俺でさえ、桜女を怖いと思った。