黒 桜

「椿のあんな嘘に騙されてんじゃねぇぞこの糞総司！」




池から出てくる俺に向かって怒声を浴びせる土方さん。





「桜女は手を怪我するくれぇお前の生誕の宴の為に頑張ってた。そんなやつがあんないつも手伝わない女に押し付けると思うのか！」




そうだ…
桜女は俺達に手を隠すようにして距離を取っていた。


あれは怪我した手を見せたくなかったから…。





「思いやせん」




「桜女は新選組を抜ける必要があるか？責められる必要はあんのか！」




「そんなんねぇに決まってるじゃねぇですか」




俺ってこの世の屑だ。

一昨日、あんなこと言ったくせに裏切ったような態度とって桜女をまた悲しませた。

あの、桜女だ。

許してくれねぇかもしれねぇ…。