黒 桜

*総司side*




桜女は何も悪くはない。
なのに俺はこの手で叩いてしまった。


走っていく桜女を見ることしかできなかった。





「総司!桜女は!?」




土方さんは血相を変えて俺の肩を掴んできた。




「そんなに桜女が大事ですかい?なら、土方さんが呼びにいってくだせぇよ」




俺がそう言うと土方さんは鬼の形相で俺の顔面を殴った。


俺は突然のことに身体が反応しなくて近くの池にぶち込まれた。





「なにするんですかい!?」





「いいか総司。お前には見えていたか。桜女の涙」




今でも隣にいるかのようにわかる鮮明に覚えてる。


あの桜女の顔を。