黒 桜

ああ、そっか。
これが私…夜木 桜女の本当の姿。


裏切られ、汚されて殺されて
自分を見失いそうになる時に

人を切ることを楽しむただの化物。




純を囲むようにして綺麗に血を流して倒れている長州の奴らを見て私は冷笑した。





「ねぇ、純…ごめんね…」




私はその後、ふらふらしながら刀を捨てて真っ赤な毛に染まった純を抱き上げる。




「純…守れなくてごめんなさい…ごめんね。純…起きてよ…お願いだから…もう、やっつけたからぁ…お願いだよ!純!」




純に流した涙はまだ私が元に戻れるって証明していてくれたはずなのに


私は気がつく暇さえなかったのだ。





夜空の下、純の亡骸を抱いて泣き叫ぶ私とそれを見ている新選組。



私は新選組に気づいてはいるのに、

気づいてはいない。