黒 桜

椿さん、あなたは私の大事なものをすぐに…奪おうとするのですね。




会場がとても静かになった。



なぜって…私が涙を流しながら笑っていて言葉には出ない苦しさを表現していたからだろう。





「ありがとうございました。さようなら」




私はそれだけ言うと怒った様子も見せず普通に宴会場から走り去ってしまった。



向かった先は私の部屋。

純を連れてどこか誰もいない場所で…

一人また苦しもうと思っていた。




「じゅ、ん…?どこにいるの!?」




部屋中どこを探しても純は見つからなかった。




なんで!?襖もしっかり閉まっていたはずなのに…!

まさか…外に…?




『ああ、あと、その猫外に出すな』