黒 桜

椿さんが差し出したのは赤く、金箔の入った杯だった。




「沖田さんにぃ、似合うと思ってぇ〜奮発しましたぁ」




「ありがとう。大事にするよ…」





それからというもの、いろんな人達からの贈り物を沖田さんは貰って大満足をしていたようだ。


私はなんだかそれが嬉しかった。




「あっれぇ?沖田さんへの贈り物…桜女ちゃんはぁ、ないんですか?」




手を隠すために宴会場の端っこに来た私を追い詰めるかのように大声で叫ぶ椿さん。




「え、ええ…お金など持っておりませんので…」




そんなのはでっち上げの嘘。
本当は早く宴の仕込みを終わらせて買いに行きたかった。


沖田さんには一番の恩を受けているからこそ、何でもいいから返したかった。