黒 桜

みんなのそういう声を聞くと私は嬉しくてたまらなかった。



私も食べたい…。




新選組のお屋敷では基本、女中さんはみんなが食べ終わったあとに勝手場で食べる決まり。


みんなの見ているのがなかなか辛い。





「桜女。こっち来て」



沖田さんに呼ばれて私は首を傾げながら空いている隣に座った。




「あれ、もう一人分…」



沖田さんの隣には何も手を付けていない食事が一つ。




「今日から女中さんもここで食べることになりやした。ってことで桜女は俺の隣。定位置ですぜ?」




私は半信半疑で土方さんの方を見ると土方さんは頷いた。