黒 桜

「えっと…じゃあ…白で…」




土方さんが着物を用意してくれるんだ…。
怒ってるけど意外に優しいじゃないですか。




「そんでそこに座れ」



私は土方さんの目の前で正座をした。

  




「手を出せ。怪我してるほう」




私が差し出すと土方さんはすぐに私の手をとって赤い布を取り始めた。




「あの?」




「ひっでぇな。何が平気だよ。ふざけるな」




皮がめくれて血が固まっている私の腕を見て土方さんはため息をつく。




「女なんだからちゃんと自分の身体は大事にしろ」




土方さんが包帯を私の腕に上手に巻き始めた時、椿さんの声が聞こえてきた。