黒 桜

井戸の水を一人でくんだり、血のついた着物を洗ったり…私はとにかくずっと一人でやった。




「痛っ…」




衣服を洗っている途中で井戸に手を擦ってしまい、手の甲から血が流れる。




「ん…んん…まあ、仕方ないか」




みんなの着物が私の血に塗れるよりはいいか。




私は手で申し訳ないけれども着物を細く破り、自分の手に巻きつけた。





赤だから目立たないよね。
夜ぐらいにこっそり洗って縫い付ければいいや。







「よし。終わり。椿さん来なかったなぁ…。とりあえず沖田さんに包帯貰わないと」




私は全員分の衣服を干し終わったあと、とりあえず沖田さんの部屋に戻った。