黒 桜

「なんですか?」




「あー近藤さんのことは全部嘘だから」




私の耳元で囁かれて私は沖田さんの目を見る。




「あと怒ってねぇです…いつものこと。俺としばらく一緒なんだから…怒ってるように見えても無視…すんなよ?」




私は沖田さんが前やったみたいに沖田さんの頬を手で挟んだ。





「しませんよ。意外にそういうこと…言うんですね」




「お前、うざい。俺が前やったことしないでくだせぇよ!」




「はい?別に不貞腐れてる沖田さんを慰めてるだけです」




「慰めなんかいらねぇです」




私と沖田さんは顔を見合わせて大きく笑った。