黒 桜

「あ、沖田さん」




「あーあ。桜女のせいで近藤さんに締められやしたよ。どう落とし前つけます?」




ぐったりした様子を見せる沖田さんに私は少し笑う。





「そういえば私のこと呼び捨てで呼びたいの?それともさん付け?」





「どっちでもいいでしょ」




なんだか怒ってるなぁ…。
私のせい…かな。



沖田さんは壁に寄りかかって大きなため息をつく。



一人にしておいたほうがいいのかなぁ…。



私はそう思ってゆっくりと立ち上がる。





「どこ行くの」




「一人にしたほうがいいのかと思って…」




沖田さんは私にこっちに来いと手を上下に振る。