黒 桜

「お久しぶりです。今日はみんな連れて来てしまいました」



「おや、桜女さんは?」




桜女のことは新選組内の秘密となっている。この人が知る余地もない。




その言葉に一瞬、俺達は静まり返ったが、俺が沈黙を破った。





「今日は風邪で寝込んでます。団子を見舞いにと思いやして」



「そうかいそうかい。んじゃ、皆さんの分、心込めて作りやすよ。いつものでよろしいですかい?」



「はい。全員同じので」



「んじゃ、座っていてくれ。少し相席になるかもしれないが…許しておくれよ」




ばあちゃんは団子屋の中に入っていった。俺達は赤い布が被ったいかにも団子屋って感じの椅子にそれぞれ座った。



俺は空いている席がなくて旅人のような人の隣に座ることになった。