黒 桜

確かに…私が止めていればよかったのかもしれない。




「でも、お前を責める必要なかった。みんな今生きてるんだろ?」



「山崎さんの家族以外は…」




「そんだけで十分さ。お前は命を張って守ろうとしてくれた。いろいろ酷いこと言ってすまなかった」



やっぱり山崎さんも優しい心を持つ新選組だ。





「傷治せるんだろ?」



「はい。まあ、私の血が治せるんですけどね。私自身は治せないし…ちょっと不便なところもあります…ね。治して欲しいところとかあります?」



「まあ、あるって言えばあるんだけど君が血を流さないと駄目なんだよね?」



「平気ですよ。私、治癒能力のお陰か小さな切り傷は半日でふさがるので!さ!どこですか!?」




山崎さんは袖をめくってさっき切ったかのような大きめな傷口を見せてきた。