そういえば、草履っていつから履いてないんだっけ?



誰かに草履を奪われてからずっと裸足の私。

もう私の足は傷がいっぱい。




「汚いなぁ…」




もう少し綺麗な着物着て可愛い髪型してもっと美人で笑えていたら…


どこかの屋敷で雇ってもらったんだろうか。






「ねぇ、あんた…何してんの?」




ふと桜の木の下を見ると、茶髪で青い目をして背高な美青年が私を見上げていた。

お偉いさんなのか赤色の和傘をさしている。




「木の上なんかに乗って…」




そうか…私はこの黒桜の上に乗ってたんだったな…。