黒 桜

「桜女のことは本当に好きです」



「はぁ…わかった」




土方さんは旅先で起きた出来事を俺に全部話した。もちろん俺は全部信じた。




「お前に口付けをしたのは病気を治すためだ」



「そうですか。それで今桜女は?」




土方さんはまた黙秘し始めた。




「まさか長州に追い返したんじゃないですよね!?」



「違う。今は地下牢にいる」




「なんでそんなところにいるんですか。土方さん!」





あんな何年も使ってない汚い場所に桜女がいるなんて…。




「あいつが自ら入った。お前だってわかるだろう」