黒 桜

「ここが牢獄だ…」



「ありがとうございます…」




干し草に冷たい床、錆びた鉄格子…新選組はほとんどここを使ったりはしなかったのだろう。





「俺はお前をこんなところに入れたくない…」



「その言葉で十分です。どうか他のみんなには言わないでください。お願いします」




私は自分から牢獄の中に入ってにこっと笑った。





「桜女…俺は…」



「大丈夫。必ず…終わらせるから」




土方さんはその後何も言わず鍵をかけて階段を上がっていった。





上には大好きなみんながいるのに牢獄は静かで…床は冷たくて…心が苦しかった。