黒 桜

灰色の雲からゆっくりとその姿を現す月。

その月は赤くて紅くて…ついに満月になった。




「綺麗……うっ…っ!?」




月を見た瞬間、私の頭の中で何かが起きた。


痛みがあった。


何かが外から中に入ってくるような感じだ。




「おい、桜女!?どうした!?」




私は屋根の上でうずくまって頭を抑える。



 

「あ、ああ!頭が…痛いよ…」




「なんだ!?どうしたんだ…!」



「はぁ、はぁ…駄目、痛いよ…」





頭の中で次々に繰り返される血の海と苦しい記憶。


牢獄、血、裏切り、殴り合い、殺す。