黒 桜

*桜女side*




「総司に別れを告げられたそうだな」



歩き始めて一時間。
静かだった私達の間を破ったのは土方さんだった。




「やっぱり聞いていたんですね」



あの時感じた誰かの視線は土方さんだったんだ。





「ああ。聞くつもりはなかった。でもすまない」




「大丈夫です。むしろ…離れてよかったかもしれませんね…」




「なんでそんなことを言うんだ」




「私は…もしかしたら死ぬかもしれないから」




私は土方さんから理由を聞かれる前に、山崎さんとあった出来事を話した。






「私は長州の間者なのかもしれません」