「君は僕とどこか出会ったことはないかい?」



山崎さんの方を向くと、山崎さんは私の顔を冷たい目で見ていた。




「僕は君に会ったことがある。おそらくな。それも君がここに来る前のことだ」



「私のことを…知ってるんですか?」




なんだか怖くなった。

自分じゃ知らないこともこの人は知っているかもしれないという気持ち。




「君は人を切ることを愉しんでる」




山崎さんのその言葉に私の心臓は強く反応した。




「なんで、ですか…」



「僕は君が人を切る姿をこの目で見た。少し僕の昔話でもしてやろう」




その時に感じた嫌な予感。
きっと当たるかもしれない。



そう思った時には時すでに遅し。


山崎さんは口を開いていた。