黒 桜

「そっか。見舞いの花でも届けに行こうかな…」



「そうするか」



私達がそう話していると誰かの足音が近づいてきてるのがわかった。



いきよい良く、麩が空いた。
そこには息を切らした藤堂さんがいた。




「椿さんが…目を覚ました!」



「「えっ!?」」




私と総司は目を合わせて走って椿さんのところへ向かった。




「椿さん!?」



「ああ、桜女…さん?右目見えないからその辺に立たれると誰だかわかんない」



「ごめん…」




女中さんなのに右目を長州の奴らに奪われてしまった椿さん。


見ているだけでもなんだか辛くて怒りがこみ上げてきた。




「椿さん…何も喋らなかったそうです。これは私が保証します」