黒 桜

「俺は新選組副局長の土方 歳三(ヒジカタ トシゾウ)。まあ、基本は鬼だ。女には厳しい」



いわゆる男を好きになるやつ…なのか?




「男を好きになるとか考えてっとお前の脳叩き壊す」




土方さんの顔は鬼のようだった。



私の心の中が筒抜け…。




「腕どうされました?」



土方さんは少しだけ動きを止めた。




「ああ、気づきます?土方さんったら木から降りられねぇ猫を助けようとして木から落ちて怪我でっせ?ざまあないっすね」




「それは言わない約束だろ?総司?後で殺す」



「そんな物騒なこと、女の前で言うことじゃねぇでしょう?なぁ、桜女さん…?」




沖田さんと土方さんが止まったのは多分、さっきまで無表情だった私が普通に笑っていたからであろう。