「この桜はいつ見ても綺麗…私は好き」



「俺もでさぁ」




私と総司は見つめ合って桜の前で口付けを交わした。





「総司…私は絶対、裏切らないから」




「ああ。帰ろ」 





桜から屋敷までの道のり、私達は一言も喋らなかった。


きっと考えていたんだと思う。


私も総司も。


今日を含めて長州が動き始めていること。
長州の狙いが私の可能性があること。


長州は私の何かを知っていること。




その日の月は考えこむ私達にふさわしい満月だ。




そして事件は…次の日の朝起きた。