あれからは特に長州の奴らも増援することもなく総司との楽しい時間もあっという間で夜になっていた。




「帰りますかい?」



「待って…私と総司が初めて出会った…桜のところ行きたい」




「もう散ってるんじゃ…」




「あの桜は不思議でね、一年中咲くの。それに夜には光り輝く。あの桜はずっと生きてるの」



「んじゃ、行くか」




私と総司が初めて出会った場所は新選組のお屋敷のすぐそば。

空き家に咲く大きな桜。





「久しぶりに来たな…」



「あの時の短刀も傘も置いてあるね」




初めてあった日、私は持っていた短刀を総司は赤い傘を置いていった。


まだ残っているなんて…もう誰かに持って行かれているのかと思った。