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「よし、これで準備完了」

気を失っている狼人族の女の子の体を、そっと地面へと寝かせて村の方へを視線を向ける。

「さあ、この状況について詳しく話してもらおうじゃないか。フォル」

俺が少し居ない間に、何でこの森で戦争なんかが起こっているのか。

そしてこの森を覆っている闇の魔力の存在について、知っている事があるなら詳しく聞こうじゃないか。

右目に包帯を巻き直し、羽織っていフードを被り直してフォルの家に向かって歩き出す。

「ここも随分と変わったよな」

そんな事を呟きながら、俺は村の中を見渡す。

俺が初めてここへ来た時は、もっと村は綺麗だったし栄えていた。兎人族とも仲良くやっていた。

なのに、何が原因で……。

「まあ、心当たりはあるけど……」

しかしその件に関して結びつけるにはまだ早い。

今は狼人族、そして兎人族の長たちからそれぞれ話を聞いてからだ。