そんな事を言いながら彼は、右目に巻かれた包帯を解いていく。

「ま、別に構わないか。子供の狼人族には興味ないし」

包帯を丁寧に解いた彼は、あらわになった右目をゆっくりと開いた。

「だからごめんね。用事が終わるまで、君は少し眠っててくれ」

すると開かれた瞳は、彼の左目とはまったく違った色をしていた。

血色のような真っ赤な瞳、ルビィのような綺麗な瞳が見開かれた時、その目は私の姿を捉えた。

「っ!」

その瞳を目にした時、体の自由が効かなくなった私は、眠るように意識を手放した。

地面へと倒れていく自分の体を、誰かが支えてくれるのを感じながら。